金利の病気 interest-rate issue 2003 8 9
公的な統計によると、2002年度において、
銀行預金から生じた利子所得は、
およそ7000億円だそうです。
研究所の試算によると、
長期金利が、年5%まで上昇すると、
家計には、年間25兆円規模の利子所得が入ってくるとのことです。
つまり、超低金利によって、
これほどの巨額の所得が、家計から流出し、
多額の債務を抱えた「企業」や「国と地方公共団体」という借り手に、
移転しているということになります。
ここまでして、家計の利子所得を犠牲にして、
「企業」や「国と地方公共団体」を救済する必要があるかという疑問があります。
かねてから主張しているとおり、現代では、
「日本は、貯金民族」で、
「アメリカは、消費民族」なのです。
だから、アメリカは低金利でよいが、日本は、低金利では困る。
アメリカは低金利政策をしてもよいが、日本は、それでは困るのです。
この国民性の違いを考えないで、
アメリカで成功した政策を日本で行っても、うまく行きません。
政策というものは、国民性や民族性を考えて、実施すべきで、
何でもかんでも、アメリカのマネは、おかしいのです。
そもそも、アメリカの政策をマネする前に、
二千年以上の歴史を誇る日本において、
偉大な改革者は、過去に、たくさん存在したのです。
外国のマネをする前に、自分の国の偉大な改革者を参考にすべきです。
今の日本の経済状態に似ている状況は、
過去の日本の歴史にもありました。
外国のマネをするのは、外国に対するコンプレックスがあるか、
外国のマネをする方が、何らかの利益があるか、どちらかです。
日本の歴史は、二千年以上あります。
まず、自分の国の歴史から学ぶべきです。
いくら株式投資が好きな投資家でも、
余剰資金の全部を株につぎ込む人はいません。
3分の1が妥当な金額で、
残りのお金は、貯金と債券で分けるでしょう。
あるいは、金、ゴールドになります。
いずれにせよ、貯金のウェイトは、3分の1はあるでしょう。